医療ブログ

長い長い治療の末に

文責:田中 / 2020年1月30日

以前、病院ホームページへ掲載していた記事を再掲させていただきます。少しでも皆様のご参考になれば幸いです。 データや状況などは当時のものとなっておりますのでご了承ください。(2011年9月掲載分)   Sさんが初めて来院されたのは、3年ほど前の事になります。 すでに複数の不妊クリニックで体外受精を幾度となくやっておられましたが、一度も治療は成功せず、以前から持っている子宮筋腫を切除すれば妊……

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着床障害に対する新しいアプローチ

文責:中川・田中 / 2020年1月23日

着床障害とは 良好な胚(多くの場合は胚盤胞)を複数回移植しても妊娠に至らない状況は、「着床障害」と呼ばれます。 着床障害は、不妊治療専門医が最も頭を悩ます問題です。患者様も大変つらい思いをされます。胚のグレード評価では「4AA」とか「3BB」とか、とても良好な胚だと説明されていれば、期待が高まるのも当然です。にも拘わらず何度移植しても着床しない、あるいは化学流産で終わってしまう、という状況が繰り返……

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「禁煙指導」

文責:田中 / 2020年1月23日

以前、病院ホームページへ掲載していた記事を再掲させていただきます。少しでも皆様の参考になれば幸いです。 データや状況など当時のものとなっておりますのでご了承ください。(2010年4月掲載分)   湘南IVFクリニックでは、タバコを止めたい、と希望している患者さんに対して、禁煙指導外来を行っております。保険診療としての禁煙指導外来を始めるためには、認定施設として、県からの認定を受けなければ……

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プラセンタとは

文責:田中 / 2020年1月17日

以前、病院ホームページへ掲載していた記事を再掲をさせていただきます。少しでも皆様のご参考になれば幸いです。 データや状況などは当時のものとなっておりますのでご了承ください。(2010年4月掲載分)   プラセンタとは、胎児の成長に必要不可欠な胎盤抽出液のことです。もともとは肝臓機能低下の治療薬として使われていた薬剤ですが、その際、患者様の肌が美しくなった、などの報告を受け、美容皮膚科の治……

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無痛分娩について

文責:田中 / 2020年1月6日

メディカルパークの産科では無痛分娩を積極的に取り入れています。無痛分娩とは、正しくは、硬膜外麻酔を併用した分娩方式の事を指します。硬膜外麻酔とは、背骨の硬膜外腔という所に、細いカテーテルを留置し、其処に麻酔薬を持続的に注入することで痛みを取る方法です。硬膜外腔の近くには下半身の神経の大元が集まっており、ここに麻酔を効かせることによって、子宮の痛覚を抑え込むことが出来ます。この無痛分娩ですが、硬膜外……

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卵巣年齢の検査について

文責:田中 / 2019年12月23日

Bさんは35歳。結婚が決まったことをきっかけに、近所の産婦人科でレディースドックを受けたそうです。するとそこで「卵巣の年齢がもう閉経に近いので、今すぐに体外受精をするしか無い」と言われたそうです。その結果に衝撃を受けて、メディカルパーク湘南を受診されました。最近、Bさん以外にも、同様のケースで来院される患者さんがたくさんいます。そうした患者さんは、皆一様に、「卵巣の年齢が凄く悪いと言われた」と仰り……

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意見箱のご意見から

文責:田中 / 2019年11月30日

どこの病院にも、意見箱なるものが置いてあります。メディカルパークにも日々沢山の患者さまからのご意見を頂戴します。感謝やお褒めの言葉もたくさんありますが、中には、お叱りのお言葉や、改善を求める切実なご意見も多数あります。これらを集計して、定例会議の場で、毎月対策を検討しています。 ここ数か月、頂戴するご意見に二つの顕著な傾向があります。一つ目は待ち時間に対するクレームです。もう一つは、病院職員の接遇……

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子宮内膜症合併妊娠について②

文責:田中 / 2019年11月21日

今回は、子宮内膜症合併不妊の「その②」です。 メディカルパークでは年間300件以上の腹腔鏡手術を行っています。このうち、子宮内膜症の患者さんが占める割合は丁度50%程度です。(図1)は、これら子宮内膜症の患者さんのうち、不妊治療を同時並行で行っている方の割合です。子宮内膜症で手術を受ける患者さんの2人に1人が不妊症を合併している、という事になります。 次の(図2)は、当院の内膜症手術後の妊娠率を、……

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先天性サイトメガロウイルス感染症早期発見の取り組み (3)

文責:岸田 / 2019年10月22日

産科の岸田です。 先日の先天性サイトメガロウイルス感染症の続きです。 平成20~22年度の厚生労働科学研究班により行われた、全国23405人を対象とした新生児尿のサイトメガロウイルススクリーニングでは、先天性サイトメガロウイルス感染症は新生児の300人に1人(0.31%)と報告されています。 このことから日本での約100万出生では、3000人は発生していることになりますが、2011年に全国で先天性……

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先天性サイトメガロウイルス感染症早期発見の取り組み (2)

文責:岸田 / 2019年9月30日

産科の岸田です。 先日の先天性サイトメガロウイルス感染症の続きです。 先天性サイトメガロウイルス感染症とは、子宮内の赤ちゃんにサイトメガロウイルスが感染し、様々な症状が出てきてしまう感染症です。 感染経路は、唾液や尿、血液、性行為ですが、症状を伴いやすいのは、お母さんが妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染してしまう、いわゆる初感染の場合です。初感染では、お母さんの血液に抗体がないために、赤ちゃ……

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