医療ブログ

人工授精の思い出

文責:田中 / 2021年8月17日

半年位前のことでしょうか。

いや、もしかしたらもっと前かも知れません。

外来で、人工授精と体外受精を混同しておられる患者様に、その違いを説明しました。

これは毎度の事で、「人工授精は『人工的』だから、危険だ」、とか、「費用が何十万円もかかる」と思っておられる方がなんと多い事か。

これらは全て誤解です。

 

人工授精は自然妊娠と全く同じ理屈だから、毛嫌いしないで貰いたい、費用も2万円かかからない、やって頂ければ判ると思いますが、とても簡単です、など、いつも通りに説明しました。

正味10分程度でしょうか?

その日は、何故か、いつもよりも熱を帯びて一生懸命説明したような気がします。

人工授精について、文字通り熱く語ったわけです。

患者さんは神妙に聞いておられました。

最後に質問が無いことを確認して、会計に回って頂きました。

患者さんが出て行ったあと、達成感と共に、ごくごくペットボトルのお茶を飲んだことを覚えています。

 

さて、その後15分程度経ったところで、事務の子が私の所にやって来ました。

「あのー、すみません、〇〇さんという患者さんから受付で質問されたんですけど・・・」

それはさっき人工授精の事を説明した患者さんのお名前でした。

「あれ?あれだけ説明したのに・・・。聞き忘れたことでもあったかな?まあ、良いや。で、なんだって?」

「はい、患者さんが仰るには、『今日、院長先生が人工衛星のことをずっと熱く語ってらっしゃったんですが、人工衛星と不妊治療とに、どんな関係があるのでしょうか・・・』と。どのようにお返事したら良いでしょう?」

「え・・・・」

 

もう絶句。

その節は、どうもすみませんでした。

 

明日は第四木曜日。

その人工授精の話をYouTubeでたっぷりお話させて頂きます。

19時からです。

勿論、講演内容は半永久的に残っているので、いつでも、どこでも、何度でも。

https://youtu.be/m1RUyugfH_k

※当記事は2020年6月25日付のameba院長ブログより引用。