医療ブログ

着床前診断について

文責:田中 / 2022年8月21日

着床前診断とは(PGT) 近年、受精卵の細胞を取り出して、その細胞の染色体の分析が可能となってきました。 これが、「着床前診断」と呼ばれる技術です(Preimplantation genetic test:以下PGTと略します)。 受精卵は透明帯というたんぱく質の膜で覆われていますが、顕微鏡下にこの膜にレーザーで微小な穴を作ります。そしてその穴からせり出してきた細胞の塊から5個から10個程度を採……

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胚盤胞のグレードと治療成績について(1)

文責:田中 / 2022年7月28日

今回は、胚盤胞のグレードと治療成績について、2回シリーズでお届けします。 体外受精を行っていると「胚盤胞」という言葉を必ず聞くと思います。 今回は胚盤胞のグレードについてお話をさせていただきます。   胚盤胞とは   胚盤胞とは、受精してから5日程度経過した段階の細胞数200~300個の卵の状態で、中に「胞胚腔」というスペースが形成されます。   胚盤胞のグレード評……

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多発筋腫の患者さん

文責:田中 / 2022年1月13日

関連記事➀・➁に続く記事となります。 ➀ https://ameblo.jp/tanaka–yudai/entry-12641286521.html ➁ https://ameblo.jp/tanaka–yudai/entry-12641493155.html 朝の回診の際に、病室の名前に見覚えの名前がありました。Tさん。1年ほど前に私が4……

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着床障害への光

文責:田中 / 2021年11月15日

私達が日常の診療で最も苦慮するケースの一つが、着床障害です。読んで字のごとく、「移植を何度やっても妊娠しない」状態を指します。メディカルパークでは、形態的良好胚の移植を3回ないしは4回繰り返しても妊娠しない場合を、「着床障害」と定義しています。 着床障害の原因は、卵管水腫、子宮内膜ポリープ、母体の免疫能の異常など、多岐に渡ります。その原因の一つとして、最近、「implantation window……

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EMMA検査と乳酸桿菌

文責:田中 / 2021年10月28日

10月18日投稿の医療ブログの続編です。 三度まじめな事を書きます。 先日の「子宮内細菌フローラ」の続編です。今回はその後の治療についてです。EMMA検査で乳酸桿菌量が90%以下であった場合には、乳酸桿菌のサプリメント製剤で治療を行います。このサプリメントは、元々は腟カンジダの再発予防のために開発されたものです。それを不妊治療に転用するのです。剤型には、経腟錠(腟……

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子宮内細菌フローラ

文責:田中 / 2021年10月18日

受精卵が着床する子宮は神秘にあふれています。子宮は嚢状になっています。要するに、子宮の中は空洞です。これまで、この空洞の中は無菌状態であると考えられていました。つまり、一匹の雑菌もいない、超清潔な状態。ところが、近年の研究により、子宮内腔にも沢山の細菌が住んでいることが分かってきたのです。子宮内に住む細菌の中で最も豊富に存在するのがラクトバチルス属菌(Lactobacillus)と言われるものです……

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無排卵月経について(続編)

文責:田中 / 2021年10月10日

無排卵月経の続編です。 日常の診療で経験する無排卵月経は、 (1)多嚢胞性卵巣症候群 (2)脳下垂体の問題 (3)卵巣機能低下 上の3つに大別されます。 今回は多嚢胞性卵巣症候群について解説します。 (1)多嚢胞性卵巣症候群 無排卵月経のうち、最も頻度的に多いのが多嚢胞性卵巣症候群(PCO)です。多嚢胞性卵巣症候群も広い意味では脳下垂体の問題に分類されます。2007年に日本産科婦人科学会の生殖・内……

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無排卵月経

文責:田中 / 2021年10月5日

「私は無排卵なのでしょうか?」 無排卵月経を心配して来院される患者さんが大勢おられます。メディカルパークだけでも、沢山いる訳ですから、日本全国で見てみれば、「妊娠しない原因は、自分の無排卵月経が原因なのではないか?」と悩んでいる方はものすごく多くはずです。 しかし、実際に検査をしてみると、正常に排卵している方が大多数です。 多くの患者さんが無排卵を心配する理由……

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難治性不妊症に対する再生医療(PRP療法)

文責:田中 / 2021年8月24日

今回は昨年5月に田中院長の「難治性不妊症に対する再生医療(PRP療法)」に対する記事をご紹介します。 当院は昨年厚労省より、「難治性不妊症に対する再生医療(PRP療法)」を実施可能な施設として認定を受けました。 当時の成績となりますが、皆様のご参考になりましたら幸いです。 PRP療法について➀ https://ameblo.jp/tanaka–yudai/entry-125959231……

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人工授精の思い出

文責:田中 / 2021年8月17日

半年位前のことでしょうか。 いや、もしかしたらもっと前かも知れません。 外来で、人工授精と体外受精を混同しておられる患者様に、その違いを説明しました。 これは毎度の事で、「人工授精は『人工的』だから、危険だ」、とか、「費用が何十万円もかかる」と思っておられる方がなんと多い事か。 これらは全て誤解です。   人工授精は自然妊娠と全く同じ理屈だから、毛嫌いしないで貰いたい、費用も2万円かかからない、や……

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