医療ブログ

多嚢胞性卵巣症候群

文責:田中 / 2021年6月2日

今日も外来で、「多嚢胞性卵巣症候群」と診断されて、不妊でお悩みの患者さんが2名来ました。

特に何故か、埼玉の入間分院には、このPCOの方が多くおられる印象があります。

 

PCOについては、頻度的に非常に多い疾患なので、非常に多くの情報が出回っています。皆さん、「あなたは体外受精しか方法が無いと言われました」とか「排卵誘発剤を大量に使わなければならないので、卵巣過剰刺激症候群の危険性がとても高いと言われています。」とか、大体同じような事を仰るのですが、それ以外にも選択肢はいくつかあります。特に、その中で、「卵巣ドリリング術」という手術をすることによって、自然排卵の回復が期待出来ることは余り知られていません。PCO患者さんの卵巣は表面が固く肥厚してしまっていて、それで排卵が上手くいかないというのが病態です。そこで、卵巣表面に多数の穴を開けてあげると自然排卵しやすくなるのです。手術は腹腔鏡で行うので、数日の入院で済みますし、傷痕も殆ど残りません。

 

PCOというと、体外受精の話ばかりが出てしまうようですが、もう少し、このドリリング術が普及すれば、自然妊娠出来る人がもっともっと増えるのにな・・・といつも思っています。

 

北山先生のYoutube勉強会と、私の過去のブログも参考にしてください。

 

※当記事は2021年3月4日付の田中院長amebaブログより参照。