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胚盤胞のグレードと治療成績について(1)
今回は、胚盤胞のグレードと治療成績について、2回シリーズでお届けします。
体外受精を行っていると「胚盤胞」という言葉を必ず聞くと思います。
今回は胚盤胞のグレードについてお話をさせていただきます。
胚盤胞とは
胚盤胞とは、受精してから5日程度経過した段階の細胞数200~300個の卵の状態で、中に「胞胚腔」というスペースが形成されます。
胚盤胞のグレード評価について
体外受精で胚盤胞の段階に達した胚を移殖する際、その胚盤胞のグレード評価は非常に大事な指標です。グレードは、培養士が顕微鏡で卵を観察して、「Gardner分類」と呼ばれる国際的な基準に従って分類していきます。
グレードには3項目の評価基準があります。
1番目は胚の内部に出来る胞胚腔の大きさ。1~6の6段階で評価されます。
2番目は「内細胞塊:ICM(inner cell mass)」という内側の将来胎児成分となる細胞の状態です。A、B、Cの3段階で評価されます。
3番目が「栄養外胚葉:TE(trophectoderm)」という外側の細胞の状態です。これは将来、胎盤になる部分で、これもやはりA、B、Cの3段階評価です。そして、これら3項目を、「3AA」とか、「4BC」などと表示します。なんか、和牛の等級分類みたいですよね。
着床率の違いは?
着床率の違いは、AとBの間にはあまり無いのですが、Cが入ると有意に影響してくると言われます。ですから、我々の業界的には、AとBしか入っていないものを、「良好胚盤胞」と呼び、そうでないもの、すなわち、Cが1つでも入っているものを「不良胚盤胞」と呼んだりします。1、2の胚は移植されることは殆どないので、実際に移植される場合は、腔の大きさは3~6で、それぞれにA~Cの評価が2つつながるので、理論上、合計で36通りのグレードのパターンがあります。
以下に、A、B、Cのグレード分類の具体的な基準を書きます。意外と皆さん知らないので、治療の参考にして頂ければと思います。
次回は実際にメディカルパーク湘南のグレード別の治療成績を集計したものを紹介しようと思います。
数日程度お待ちください。
※当記事は2021年6月15日付の院長ブログより引用。
YouTube公開中!「7分で分かる!基本の胚評価」
また、当院の公式YouTubeにて「なぜ、評価(グレード)付けを行うの?」、「グレードされた数字を何を示すの?」等々、日頃から患者様に頂く疑問について解説しております!
ぜひご覧ください。