不妊治療
内視鏡手術と不妊治療
卵管鏡手術(FT)
ほぼ9割の方の卵管が開通し、4割近くの方が自然妊娠
卵管が詰まったり癒着したりして精子や卵子が通れない状態では自然妊娠は不可能です。
そのため、他院では卵管閉塞や卵管狭窄が発見されると、体外受精を勧められることが多くあります。
しかし近年「卵管鏡下卵管形成術(FT)」が確立され、注目を集めています。
当院ではこれまでに累計500例以上のFT手術を施行しており、全国でも有数の実績を誇っています。
FT手術は直径0.6㎜のカテーテルの内部に光ファイバーを束ねたカメラを内蔵し、卵管の内部を観察します。同時にバルーンと呼ばれる風船を膨らませて卵管の中へ挿入していき、詰まっているところを広げます。
手術は日帰り入院で行い、手術時間は約20分です。合併症はほとんどありません。
保険が適用になりますので、費用の負担も少なく済みます。
FT施行後の経過期間と累積妊娠率
手術後は人工授精を含めた自然妊娠を目指すことが可能です。
当院での手術による卵管の開通率は89.3%、術後の累積自然妊娠率52.3%となっています。
FT手術を施行後に自然妊娠された方の約60%が術後10ヶ月以内で、さらに約80%の方が20ヶ月以内で自然妊娠に至っています。
データよりFT手術施行後に自然妊娠が期待できるのは2年以内と考えられます。
それ以降は卵管の再閉塞を疑い、再度卵管造影などの検査をするか、体外受精に切り替えるなど治療方針を検討します。