不妊治療

高度不妊治療

ERA・EMMA・ALICE検査のご案内

ERA検査のご案内 HRT P+5 (120 hours)

ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査とは?

 体外受精で行う胚移植にて、反復着床不成功例が疑われる場合に行う検査です。反復着床不成功例では、胚の受容側、即ち子宮内膜が着床可能な状態にしているつもりでも、必ずしも準備が整っていない場合があります。
 ERA検査では融解胚移植を行う場合、移植する日の子宮内膜が着床可能状態にあるかどうかを、遺伝子レベルで調べる事ができ、移植に最適な時期を判断することができます。
 ERA検査結果より、20~30%近くが着床可能な時期がずれていたという事が分かってきております。
 ERA検査の結果が出るには2~3週間ほどを要します。検査結果によっては再検査、再々検査の場合もございます。尚、検査周期では検査だけを行いますので、移植は行いません。

  • 融解胚盤胞移植の周期に使用するホルモン剤を用いて、移植をする周期と同じような方法で子宮内膜を厚くしていきます。ホルモン剤を投与してから、5日目に、子宮内膜の組織を採取して、検査を実施します。
  • ピペールと呼ばれる器具で子宮内膜組織を採取致します。5分程度で終わります。
    組織採取時に多少の痛みがありますが、軽微ですので通常麻酔は行いません。
    痛みに弱い方は担当医の方にご相談ください。
    麻酔や鎮痛剤等の前処置は別途費用がかかります。当日の性交渉もご遠慮ください。

子宮内膜組織採取

フロー図1
フロー図2

検査結果に関しては担当医にお問合せください


受容期

RECEPTIVE:受容期

HRT P + 5(プロゲステロン投与後120±3時間)に胚盤胞/胚移植を行うことが推奨されます。

受容期前

PRE-RECEPTIVE:受容期前

今回のERA検査で子宮内膜生検を行った時刻より1日後に胚盤胞移植を行うことが推奨されます。
(プロゲステロン投与後148±3時間)

受容期後

POST-RECEPTIVE:受容期後(非受容期)

P + 4で新しい子宮内膜生検を行う(プロゲステロン投与で96±3時間)ことが推奨されます。

ERA検査費用は10万円(税込)となります。料金は予告なく変更になる場合がございます。
薬剤やエコーなど別途費用がかかる場合もございますのでご了承ください。
詳しくは医師にご相談ください。
ERA検査実施施設:株式会社アイジェノミクス・ジャパン igenomix


EMMA, ALICE検査のご案内

EMMA(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)検査とは?

 EMMA検査とは“子宮内膜マイクロバイオーム検査”と呼ばれるもので、子宮内の細菌叢をみるものとなります。
 近年の研究で、子宮内膜の細菌叢の存在が明らかにされ、子宮腔の菌共生バランスが崩れると、ARTの治療成績不良に関連することが示されています。特に、子宮内膜の乳酸桿菌(Lactobacilli)レベルの変化が、不妊の一因となっていることが示唆されています (Moreno et al. Am J Obstet Gynecol, 2016) 。
 EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム)検査では、子宮の細菌環境が胚移植に最適な状態であるかどうかを 判定することができます。

乳酸菌90%以上 乳酸菌90%以下
着床率 0.601 0.231
妊娠率 0.706 0.333
妊娠継続率 0.588 0.133
生児獲得率 0.588 0.067

Preliminary results were presented at the 62nd Annual Scientific Meeting of the Societyfor Reproductive Investigation, San Francisco, CA, March 25-28, 2015.

  • 膣内には、ラクトバチルス属と呼ばれる細菌が豊富に存在しており、細菌性の膣炎や性感染症、尿路感染症の原因となる細菌を繁殖させないように働いていると言われています。
  • 子宮内に雑菌が繁殖し細菌感染が続くと、炎症症状が慢性的になり、感染症のために免疫活動も活発になり、受精胚を異物として攻撃してしまう可能性が指摘されています。

ALICE(Analysis of Infectious Chronic Endometritis)検査とは?

 ALICE検査とは“感染性慢性子宮内膜炎検査”で、子宮内の細菌の中で特に慢性子宮内膜炎(CE)の原因となる細菌を検出します。 CEは不妊症の女性の約30%の方が罹患し、習慣性流産を引き起こしている患者に関してはその数は60%に及ぶと言われています。 この検査より微生物学的レベルで子宮内膜を評価し、慢性的な子宮内膜炎の有無を抱える患者様の臨床管理の向上を目指す事が可能となります。

慢性子宮内膜炎
  • 慢性子宮内膜炎では、細菌が子宮の中の基底層にまで入って感染起きています。基底層は月経ではがれないため、自然には治りません。

 EMMA, ALICE検査では、検出限界があった細菌培養や組織学的診断に代わり、子宮内膜の細菌群と感染を遺伝子学的に検査することが可能です。
検査の結果、処置が必要であろうと思われた場合に限り、抗生物質の種類など治療方法について検査結果レポートに明記されます。
 乳酸菌が9割よりも少ない場合の療法につきましては、乳酸菌膣錠を用いた治療を推奨いたします。
 採取される子宮内膜の検体には、子宮内膜細胞と細菌細胞がともに含まれています。NGS(次世代シーケンサー)を用いてこれらを分析することにより、ERA検査による子宮内膜着床能と子宮内膜細菌叢の両方をから、移植時の子宮内膜の状態を総合的に評価することができます。

EMMA, ALICE検査はERA検査のオプションとなります。EMMA, ALICEのみの検査は行っておりません。
TRIO検査(ERA+EMMA+ALICE)は15万円(税込)となります。
詳しくは医師にご相談ください。