婦人科
避妊相談
低用量ピル(経口避妊薬)
現在のところ、ピルが最も確実で安全な方法です。
正しく服用していれば、避妊効果はほぼ100%と言えます。
6ヶ月ごとの検診を受けていれば、副作用の心配もありません。
ピルの副効用として、卵巣がんや子宮体がんの予防効果があり、また、生理痛を緩和したり、月経量を減少させる効果もあります。
低用量ピルの効果
低用量ピルを服用すると、避妊はもちろん、他にもさまざまな効果が期待できます。
- 高確率の避妊
排卵を抑制することで、100%に近い確率で避妊することができます。 - ニキビ、肌荒れケア
ピルを服用することでホルモンバランスが安定し、お肌のトラブルを軽減します。 - 生理周期の安定
エストロゲンとプロゲステロンというふたつのホルモンがバランス良く分泌されるようになり、生理周期が安定します。 - 生理痛の軽減
子宮内膜が薄くなって子宮収縮が減少し、生理痛が軽減します。 - 生理中の出血の減少
子宮内膜の増殖が抑制されて、生理の出血量が減少します。 - 生理前のイライラを解消
ホルモンバランスの変動が少なくなるため、PMS(月経前症候群)や月経前不快気分障害(PMDD)が改善します。 - 卵巣がん、子宮内膜がんの予防
エストロゲンとプロゲステロンのバランスの良い分泌は、がんリスクの低下にも繋がるとされています。 - 子宮内膜症の改善
子宮内膜の増殖が抑制され、症状の緩和につながります。
低用量ピルの副作用
低用量ピルには、効果とともに副作用が伴うことがあります。特に飲み始めの3か月ほどは、ホルモンバランスの変化による副作用が出やすくなる傾向にあります。
なお、現在の低用量ピルは以前のものと比べて副作用が抑えられており、安全性も向上しています。
- 吐き気・頭痛・むくみ
服用開始から3か月程度、吐き気や頭痛、むくみ(体重増加)が起こることがあります。 - 血栓症
発生頻度は低いものの、血栓症のリスクがあります。特に肥満、喫煙習慣がある方や長時間の座位では注意が必要です。 - 下腹部痛・不正出血・胸のはり
ホルモンの変化により、下腹部痛や不正出血、胸のはりが見られることがあります。
低用量ピルの種類と用法用量(飲み方)
- ラベルフィーユ
ラベルフィーユ21錠を初めて服用する場合は、月経の始まった日から1日1回1錠ずつ毎日ほぼ一定の時刻に数字の順番どおりに21日間連続して服用します。
その後の7日間は服用を止めます。
服用を休んでいる間に、月経のような出血がおこります。
出血が終わっていても続いていても、7日間のおやすみ期間終了翌日から新しい錠剤シートを服用し始めます。 - ファボワール
ファボワール錠21を初めて服用する場合は、月経の始まった日から1日1回1錠ずつ毎日ほぼ一定の時刻に数字の順番どおりに21日間連続して服用します。
その後の7日間は服用を止めます。
服用を休んでいる間に、月経のような出血がおこります。
出血が終わっていても続いていても、 7日間のおやすみ期間終了翌日から新しい錠剤シートを服用し始めます。
アフターピル(緊急避妊薬)
避妊をしないで性交があった場合、あるいは、避妊をしていたが性交時に避妊に失敗してしまった場合など性交後に避妊をすることが可能です。性交後、72時間以内に服用しなければ効果がありませんので、ご希望の方はお早めにお問い合わせください。
保険適用外になりますので約1万円の費用が掛かります。
アフターピルの効果
アフターピルは、避妊の失敗や予期せぬ性行為の際に妊娠を防ぐために使用される薬です。
主に排卵の抑制や着床の阻害によって妊娠の可能性を大幅に低下させます。
正しく使用することで、95%以上の成功率があるとされています。
- 排卵日を遅らせる
アフターピルは排卵を抑制または遅らせることで妊娠を防ぎます。5~7日間の効果があり、LHサージを抑える働きを持ちます。 - 子宮内膜を変化させ着床しにくくする
子宮内膜の性質を変化させ、受精卵が着床しにくい環境を作ることで妊娠の可能性を大幅に下げます。
アフターピルの副作用
アフターピルは効果が高い一方で、副作用が現れる可能性もあります。
主に多量の黄体ホルモンの影響で、吐き気や頭痛、生理不順などが生じることがあります。
服用後の体調変化には注意が必要です。
- 吐き気・頭痛・腹痛・眠気
吐き気アフターピルの副作用の中で最も多く、服用者全体の2%程度と報告されています。
時間とともに軽快しますが、服用後すぐに嘔吐した場合は医師にご相談ください。 - 生理がずれる
排卵の抑制により生理周期が乱れることがあります。旅行などの予定がある場合は注意してください。 - 消退出血
子宮内膜の変化により少量の出血が起こることがあります。長引く出血や短時間の異常出血には注意が必要です。
ヤツペ法(プラノバール)とは
「ヤツペ法」とは、1970年から緊急避妊として利用されている従来の避妊方法です。この方法では、中用量ピル【プラノバール】に含まれる女性ホルモンである「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を使用して、妊娠を回避します。
一方、現在主流となっている緊急避妊薬「ノルレボ錠」は高用量ピルに分類されます。
中用量ピルと高用量ピルにはどのような違いがあるのでしょうか?
この点についても以下で、プラノバールについて詳しく解説しています。
- ヤツペ法でのピル服用方法
1回目の服用は、性交後72時間以内に2錠を服用。
2回目は、1回目の服用から12時間後に2錠の服用が必要です。 - 服用時の注意点
性交後72時間以内に複数回分けて2錠ずつ服用する必要があり、この時間を過ぎてしまうと、避妊効果の著しい低下の恐れがあります。包装に記載された通りに服用することが大切です。緊急避妊薬に該当するプラノバールは、副作用のリスクもあるため定期的な避妊には使用しないようにしましょう。 - 副作用
吐き気、嘔吐、頭痛、下痢、めまい、月経不順、乳房の張り、発疹 など
頭痛やめまいなどの神経症状、嘔吐や下痢などの胃腸症状、その他に生殖器症状や皮膚症状などが主な副作用として挙げられます。これらの副作用はプラノバールに含まれる女性ホルモンの影響によるものです。また、個人差があるため、必ずしもすべての人に発生するとは限りません。副作用が現れた場合はすぐに医師にご相談ください。
IUD(リング)
子宮内に柔らかいプラスチック製のリングを挿入する方法です。
一度、挿入するだけで毎日薬を飲んだり、コンドームのように性交の度に着脱する必要はありません。
ただ、避妊効果は100%ではありません。1年間で3~4%の妊娠の可能性があると言われています。
また、自然にリングが脱落し、それに気づかず妊娠されることがあります。挿入後は定期的に検診を受けてリングが正しい位置に挿入されているか確認をしてください。
副作用として、感染・不正出血・生理痛・月経量の増加・生理期間の延長の可能性があります。
出産経験の無い方、子宮筋腫などで子宮が変形している方、月経量の多い方などは不向きです。
妊娠を希望される時には、いつでも取り外すことができます。
使用期限は1~2年となっています。