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忖度

2019年12月19日

マスコミの間では、昨年から「忖度」という言葉が大流行。本来ならば、日本の文化を現すような美しい言葉のはずなのに、マスコミの力で、本来の意味すら歪められてしまう。とても悲しい事です。

1年ほど前の事。
メディカルパークに新しく入った女医さん(A先生とします)の歓迎会を催すことになりました。休みの日が皆違うので、こういう時はとにかく予定の調整が大変なものです。まずA先生の日程を聞いて、それからほかの医師たちの日程を一人一人確認して。何度も何度も日時調整して、漸く開催日が決まりました。

次はお店の予約です。お店の選定は当然主賓のご希望を優先すべきなので、まずA先生にメールしました。
「何か食事のご希望ありますか?お店はA先生の希望に合わせて予約しますので」
ただ、この段階で、すでに開催予定日まで1週間位しか無く、時間が差し迫っておりました。ここから先は予定調和。

恐らくは『お店はお任せします』という返信が返ってくることを想定した上で、女性が一番好みそうなお店を考えました。そして、藤沢にありながらミシュラン三ツ星で知られている和食懐石のお店に決めました。有名なお店なので、返信を待ってからの予約では確実に間に合わないので、メールをすると同時にお店には電話しました。何とか個室を抑えることが出来、人数や予算、メニューなどの詳細まで決めることが出来ました。器まで楽しむような懐石料理は、同席する若い男性医師たちにはちょっと物足りないだろうとは思いましたが、主役はA先生なのだから、納得して貰いましょう。

これが本来の「忖度」というものです。

翌日位に返信がきました。
「有難うございます。では、フレンチかイタリアンを希望いたします」
げーっ!!!
読んだ瞬間、脇汗が。

歓迎会まであと数日しかありません。しかも当日は週末。これからフレンチのお店なんて、予約取れるのか?まずは懐石料理のお店に電話して、謝って予約取り消させて貰って、それから、生まれて初めて、「食べログ」というサイトに入っていって、「湘南台 フレンチ」とか「藤沢 イタリアン」とかで検索しまくり、いくつか目ぼしいお店の電話番号をメモして、外来の合間に、目を血走らせながら、片っ端から電話を架けまくり。

結局、5件目位で漸く家庭料理みたいな小さなフレンチのお店の予約が取れて、ギリギリの滑り込みセーフ。

歓迎会は恙なく終了しました。

さて、その後、しばらく経ったある日。
きっかけは覚えていませんが、A先生と何気無い会話の中で好き嫌いの話が出ました。

「A先生は、フレンチとかイタリアンが好みなんだよね?」
「え?なんでですか?特に好き嫌いはありませんけど」
「だって、ほら、歓迎会の時に『フレンチかイタリアン希望です』ってメールくれたじゃない?」
「あ、あの時の事ですね~。いや、私は何でも良かったんですよ。でも『お任せします』って書いたら、田中先生を困らせてしまうかなって思って。分かりやすい具体名を挙げて書いたんです。」
「えーっ!!!そうなの???」
「それがどうかしましたか?」
「あー、いやいや、何でもない。そ!あの時は具体的に指定してくれて、ホント助かったよ。お陰で、お店選ぶのもすごく簡単だったからね!有難う!」

そして、これが日本人の秘技「忖度返し」。
目には目を、歯には歯を、忖度には忖度を。

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